Vol.10 墨田区千歳三丁目

夢中で泥だんごを作っている少年達がいた。僕が写真を撮らせてくれと言うと、なんのためらいもなく、すっと立ってくれた。大好きな劇作家、横内謙介氏の芝居で、「少年が消えたよ。どこを探しても…」と嘆くシーンがあったが、少なくともここでは健在のようだ。「夢を見たのだ。夕暮れの街角に立つ、少年の夢を……」怪人二十面相に扮する近藤正臣さんのジーンとくるセリフを思い出す。少し歩いた路地の出口近くに大きな花を髪に差した女の子が座っている。この街で育って銀座で踊子の仕事をしているそうだ。この路地裏はまるで長い芝居の続きを観ているようだった。









「東京路地裏写真館」は、アクセス・パブリッシングより発売中の月刊誌「NAMABON(生本)」にて連載中です。当サイトと併せてご覧ください。
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原田宗典、鷺沢萠、横内謙介、吉元由美、安西水丸、ほか


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