Vol.23 文京区本郷四丁目

本郷四丁目、旧菊坂町は樋口一葉が明治二十三年に移り住んだところだ。父親が死に、母と妹を養うため、針仕事や他人の洗濯をしながら生計を立てていたらしい。今でも洗濯したと思われる井戸や昔ながらの狭い狭い路地裏が残っていて驚かされる。旧住居跡からすぐのところに質屋さんがあり、一葉もよく通ったと聞く。お金にはかなり困っていたようだが皮肉にも自分の肖像が百年後、紙幣に載るとは夢にも思わなかっただろう。その質屋の脇の路地を覗くと白い猫がこちらを振り向いた。路地裏を迷いながら歩いていると、近くに住む粋なおじいちゃんが道を教えてくれた。









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